語りのワークショップ 2008

◆ 2008「語り」のワークショップ ルポ

日 時 2008/06/21

会 場 宜野湾市中央公民館3階研修室2

参加者17名

2008「語り」のワークショップが始まりました。

昨年12月15日に2007年のワークショップ発表会を賑々しく行ってから6ヶ月がたちました。昨年一年間の反省を踏まえて、講師である巴さん、ワークショップに参加している照寛さんと大田さん、東京から戻ってきた加治工さんと、この欄を担当していた泉でワークショップの実行委員会を3月から立ち上げて準備してきました。よろしくお願いします。

さて、今回も昨年同様にワークショップの参加者を会員限定としないことで、一般参加を呼びかけて4名の方々の参加がありました。また、会員の方で、昨年は都合がつかなかったので今回の参加になったと、実行委員泣かせの紹介もありました。もちろん、2007年の方々の多数の参加があり、昨年のスタートとは違い賑やかなワークショップになりそうです。

巴さんの2008「語り」のワークショップのテーマ

1.話すこと聞くこと-自己との出会いを求めて

私たちは今までの生活の中で、なにかしら固定観念で縛られて生きている。そんな自分をレッスンを通して検証し、また他に触れることで互いを「たいせつ」にする間隔をみつけ、率直な自己を表現できるようになろう!

2.伝承について

日本の口承による芸能の中で沖縄の特性を考えてみた。

「語り」のワークショップの年間スケジュールを紹介します。土曜日午後2時から。

第1回・・・6月21日
第2回・・・7月12日
第3回・・・7月26日
第4回・・・8月 9日
第5回・・・8月23日
第6回・・・10月11日
第7回・・・10月25日
第8回・・・11月 8日
第9回・・・11月22日
第10回・・11月29日

最終回は、昨年に引き続き、発表会でワークショップの打ち上げとなります。

さて、次回からは通常のレッスンのほかに、2007年の方々の「語り」が1~2話あります。会員の方々の見学・参観等こころよりお待ちしています。 (文責 泉 タケシ)

◆ 第2回2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/7/12

会 場 宜野湾市中央公民館研修室

参加者 20名

[テーマ 体との出会い  呼吸法]

2回目のワークショップで20名の参加になり、会場は一杯の盛況になりました。前期過程は、身体を動かすことが中心になりますので、参加者の皆さんは事故に気をつけて触れ合いを大切にしてください。

いつものように、身体のほぐしから始めました。今年は集合時間が13時30分になりましたので、開始時間までのあいだ準備運動をしていたこともあり、実にスムーズな入りになりました。

[体との出会い]

上体から徐々に力を抜いていき、海草になったように海の中にゆらゆらと漂っているイメージで、首も肩もなにもかも、すべての体躯から力を抜いていきます。そして、腰から膝にかけても力を抜いてしゃがむ姿勢になりました。関西ではうんこ座りと呼んでいます。巴さんはこの姿勢が一番楽だといいます。この姿勢で歩行です。そう、サル歩行でそのうち、二人一組背中を合わせて揺らし始めました。この姿勢でお母さんを感じてください。お父さんを感じてくださいといいます。* 巴語録:意味で語るのではなく、思いで語る。そうすれば思いは伝わる。

日常世界では意味の世界で語っています。しかし、ほんとうは感じるものの世界で言葉が成立する。感じることから言葉が出てくるようになれば、創作の世界にいけるだろうといいます。

さて、身体はこのあとごろごろとフロアーに寝ころがることになります。人間の身体とは、なんと不自由なものなのかようやくわかり始めます。すべての力を抜いて、内臓を自由に浮遊させることで開放されます。このころから、皆さんには笑い声やらでリラックスした雰囲気が出てきました。

[身体の中にイメージを膨らませる]

このあとゆっくりと立ち上がり、身体の中に大きな花が一杯咲いているイメージを描きなさい。その花が徐々に枯れて、茎も枯れて、身体もそれに合わせて枯れていく。巴さんの言葉に合わせるように、皆さんの身体がフロアーに落ちていきました。種が土に落ちてまたそこから芽が出てきました。大きく茎が伸びてまた花を咲かせました。まるで催眠術にかかったみたいな状態で身体が動いています。皆さんが心身ともにリラックスしている証なのでしょう。 どのような花をイメージしたでしょう。ピンクの蓮。ヒマワリ、白いぼたん、赤いバラ、アカバナー(ハイビスカス)、黄色いユウナと多彩でした。

朝三さんはネオンの花がちらついたそうです。巴さんは、季節の移ろいと共にある花の芽吹きから枯れるまでのイメージが、ここ沖縄でもあるのかという一抹の疑問があったようですが、一人の方を除いては杞憂であったようです。

[呼吸法]

休憩を挟んで、呼吸とは何か、身体はどこで呼吸をしているのか。実際に確かめることから始まりました。一人がフロアーに仰向けになり横になります。あと二人は胸と腹を抑えた状態で、寝ている人は呼吸をします。すると肩で呼吸するような状態が生じたようです。次は腹ばいになって、両肩を少し押さえた状態で呼吸をします。息を吐くときは自然に音が出ます。

この動作を肩からお腹、お尻、足、足の先端まで続けます。お尻を押してやるときが最も息が大きく吐ける、吸える場所のようです。巴さんによると横隔膜が下がって、広くなってたくさん息が吸えるといいます。

[身体のぶら下げ]

身体を立てた状態で両手をぶら下げて横隔膜を下げ、無理のない状態を作ります。発声の基本に入りました。今日はここまで。ずいぶん皆さん身体がほぐれたようです。みっちり2時間のレッスンになりました。次回は発声法です。

さて、ここで最新ニュースです。沖縄伝承話資料センターは、沖縄銀行「おきぎんふるさと振興基金」の助成を申請していましたが、助成が決定しました。座間味島、渡嘉敷島などの調査資料のデジタル化事業に対してのものです。今月10日に助成の認証式があり、照屋寛信理事長が出席しました。沖縄タイムスの12日に掲載されています。これでますますデジタル化も進捗することと思われます。沖縄銀行さんありがとう。

このワークショップと伝承話のデジタル化は、資料センターの車の両輪のような事業です。会員の皆様の参加を呼びかけます。(文責 泉 タケシ)

◆ 第3回2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/7/26

会 場 宜野湾市中央公民館研修室

参加者 18名

[テーマ 発 声]

台風8号の影響を心配しましたが、今回も暑い晴天になりました。定刻どおり2時から開始です。腰を起点にして、両手はブラブラぶら下がっている状態を確認します。腕の重さを感じて力を抜いて腰だけが回っている。

そして、身体ほぐしから、上半身のぶら下げをして横隔膜を目一杯広げることです。丹田-へそから指3本下にあります-を両手で軽く押さえて声を出しました。首の筋肉も咽喉も力が抜けた状態を体感します。

その後は軽くトントントントンと上下運動、そのあとドスンと身体を落とします。茶筒を上下にゆするように、内蔵をゆすってからだの下のほうに移動するのを実感します。トントントンドスン。首も手も下のほうに力が抜けて移動します。

[ぶら下がりパート2]

次は2人一組になってのぶら下がり。横隔膜が目一杯広がったところで、お尻から呼吸するように息を吐いたり吸ったり。シィーという音とともにゆっくりと息を吐き、呼吸を少し止めてまたシィーと吸っていきます。自分の息の長さで、横隔膜を使って目一杯呼吸をします。 巴語録:呼吸はお尻で、吸ったり吐いたり。頭に向かって声を出す。口の中で声を出さない。

次は頭の上に向かってラララ・・・、天井に向かってラララ・・・・・。皆さんうまく出来ましたか。お尻で呼吸が出来ましたか。

コーコートー コーコートー コーコートーノー ホンセイハ ウルノコゴメニ カンザラシ カーヤニ ギーナン ニーキーニ チョージ 

チャンチキスケテンテン チャンチキスケテンテン

皆で声を出してコーコートーとやりました。傍らで聞いていると十分力が抜けているので、声帯に力が入っていなくて声明を聞いているようでした。十分に咽喉が開いている状態なのでしょう。これで前半が終わりました。

[作品の語り]

今回から後半では、2007年の受講者による作品の発表です。作品はまだまだ完成させる余地が残っているようです。また、2008年からの受講者の方々には生の刺激があるものと思います。

1.神田雪枝さんによる「かじまやーのはじまり」

一人語りの作品です。おさらいワークショップからおさらいをやってきた作品です。登場する神様の関係が複雑で、毎回議論してきました。そして、今回神田さんはその辺を整理されての語りになりました。最後のところが整理されすぎて、カジマヤー(風車)を回すことと、97才のお祝いの関係がわかりにくくなったようです。面白い話なのでがんばって仕上げてください。

2.宜保清美・新城京美ふたりによる「クスケー由来」

完成度が高くなった作品です。この話も沖縄の民俗と深いかかわりがあります。その点を示唆したのが今日の照寛さんと上原さんです。誕生間もない赤子が、人間に移っていくときの危険性と、老人の知恵がそれを解決するという骨太な話として生まれ変わる可能性があることも指摘されました。おもしろくなりそうです。

次回のワークショップのテーマは「話しかけ」です。また、作品の発表は福原兼雄・邦子「黄金の瓜種」と辺土名朝三「キジムナーとヤックワナー」の予定です。(文責 泉タケシ)

◆ 第4回2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/8/9

会 場 宜野湾市中央公民館研修室

参加者 21名[テーマ 話しかけ]

今回は21名の参加があり多少狭い研修室は、にぎやか極まりない状況になりました。ワークショップは2時ちょうどの開始になりました。まず身体ほぐしをいつものように行いました。会場を歩きながら忍び足、すり足で動いていきます。誰かがそこに寝ているので起こさないようにといいます。もちろんそういうイメージでということです。そして、なんば歩きせよと巴さんは言いました。手足をそろえて歩くようですが、なかなかうまく出来ません。あのペンギンのような歩き方です。いよいよ身体がほぐれてきました。

○ 自分の声に出会う
天井に向かって・・オハヨー・・オハヨー・・・。ポーンと声上に上げる。口を大きく開いてアーと響かせる。咽喉を固めない。

○ 地声はどんなものか。お腹から出る声を聞く。確認する。

片手を頭の上まで上げて、ダラーっと力が抜けた状態で落とす。そのときアッーという声を発する。マンツーマンの点検です。皆さん低い地声であることを確認されました。

巴語録1:口を開いて、咽喉で声を出してはいけない。

○ 声を届ける 一人が後ろ向きなって立っています。少し離れた背後からこの人に向かってオハヨーを発します。後ろ向きの人は自分にこの声が届いてきたら手を上げます。難しいですね。

次にアーという音をピンポイントに届けます。このときは5~6名が後を向いています。全員が手を上げれば声を出した人のアーは拡散していて、目標の人には届いていません。難しいですね、声を届けるということは。

巴語録2:人に向かって話しているつもりでも、ちゃんと届いていない。

おっしゃるとおりです。声で勝負の語りです。咽喉に力を入れないでリラックスして、なおかつ目標とする人に声をピンポイントで届けましょう。訓練あるのみです。

○森の熊さん 狭い研修室で森の熊さんの合唱が始まりました。熊役の男5人とお嬢さんが17人です。少々気恥ずかしいのですが、果たしてこの狙いはどこにあるのでしょうか。森の熊さんはとても気が優しく、お嬢さんに落し物を届けます。しかし、巴さんは野生の熊さんを男に要求しました。

熊グループとお嬢さんグループに分かれての掛け合い歌になりました。ここで巴さんは、熊さんたちにお嬢さんを自分のものにしろと要求しました。もっと野性の本性を出せとも。熊は熊でしかない、たとえ童謡の世界といえども。しかし、なかなか要求通りにはなりませんでした。ここで、

巴語録3:歌うのではない。内容を伝える。怖い熊はとうとう現れませんでした。

[作品の語り]1. 福原兼雄・邦子さん「黄金の瓜種」作品は本来もっと長いそうですが、ゆっくりしたテンポで語られました。

講評:①これまでは、語りに動きを入れていたが、座った状態で聴衆と向き合った語りの形がよいのではないか。
②黄金の瓜の入っている壷がゆらゆらと自ら流れ着く表現があっても良い。
③久高島にまつわる話としてすんなり物語の中に入っていけた。

2. 辺土名朝三さん「キジムナーとヤックワナー」 短い作品ですが、完成された内容で笑いを誘います。後半までペーパーなしで語られました。方言が多く混じっています。そのあたりの雰囲気を壊さず軽快に語られました。

次回で前期の終了になります。いよいよ、今年の発表会のテーマが決まるでしょう。今日から巴さんは渡名喜島で一人合宿に入りました。(文責 泉タケシ)つづく

◆ 第5回2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/8/23

会 場 宜野湾市中央公民館研修室

参加者 23名

8月も残りわずかになりましたが、夏がぶり返してきたかのような暑さが続いています。今回は前期の最終回ということもあり、多数の参加者になりました。多彩なプログラムになり、後半は後期に向けての取り組みの説明が行われて5時前に終了となりました。

1.[詩を読む-草野心平ごびらっふの独白]

「るてえる びる もれとりり がいく。ぐう であとびん むはありんく るてえる。けえる さみんだ げらげれんで。くろおむ てあらや ろん るるむ かみうりりぅむ。なみかんた りんり。・・・・」

日本語訳 「幸福というものはたわいなくっていいものだ。おれはいま土のなかの靄のやうな幸福につつまれてゐる。地上の夏の大歓喜の。夜ひる眠らない馬力のはてに暗闇のなかの世界がくる。・・・」

かえるが一匹土の中でゆるりと目を覚まし、己の孤独と幸福を噛みしめて脳天に虹を見るという。

巴さんがこの蛙語の詩を持ち出したのは、誰にもわからない蛙語は方言であって、蛙語の意味がわからないと、人に伝えるという表現もできないという。蛙がどこにいるのか、何をしているのか、何を考えているのかを表現することの困難さを感じてもらうことが、この詩を読むねらいであるという。

23名全員が蛙語の詩を読む。蛙語はもちろん意味のある単語などないにもかかわらず、むずかしい音の羅列でも表現するという行為が生まれてきた。方言の物語をどのように伝えるか、結論は出ていません。

ここまできて一時間を過ぎ、お菓子つきの休憩タイムとなりました。

この蛙語の詩を聞いていて、竹富島のジュゴン話のことを思い浮かべました。とても短い話で、竹富方言も採録されています。とても好きな話のひとつで、独断と偏見で紹介します。

ザンのユングトゥ あいぬーはまなーザンぬゆうりんとぅ、たあどぅうひくたねみんぬとぅ、ひくたるみんやーはらなあ、ふぁんぬはったあ、ふぁんやぬうなあ、みいぬみった、はなあ、ええ、みったるみいやかばなあ、はなぬかぶたあ、はなあやとぅらなあてぃぬとぅったあ、ひいやふぁあなふちぬふぉったあ、ふち、ふぉったるふちぇねーまらなあ、すびぬまるつぁあ、すげえ、とぅったるてぃいやりュう、だってぃたーすげえ、すぶんてぃ。

(東の海岸に人魚が打ち寄せられたという噂が出た。誰が聞いたか、耳が聞いた。耳は行かずに足が行った。どこにあるか足は見ることはできないから、見たのは目が見た。匂いがするかと、嗅ぐのは鼻が嗅いだ。嗅いだ鼻は取らずに、手が取った。手は食べずに、口が食べた。そしてお腹いっぱいになったから、垂れたのはけつが垂れたから、けつが犯人だと叩かれた)

2.作品の語り「寿命比べ」高江洲春子・照屋寛信さん

この作品は短くて、楽しくてばかばかしい内容のものです。高江洲さんのリズム感のある方言は、聞いていても心地よいものです。照屋さんの共通語による語りとセットになることで、方言がわからなくても理解できます。お二人の精進を期待します。

3.再話について 大田利津子さん 発表会に向けての作品の決定と原稿作りがいよいよ始まります。作品作りは何を語りたいかに尽きると思いますが、それだけでは語りにならないというのが、2007年のときの経験になりました。それで、再話ということの講義になったのです。むずかしいですね。再話された本も幾つか紹介されました。しかし、これも語りの作品ではありません。素材にしか過ぎません。しかし、紹介された本には良い話がたくさんあります。語りたい素材を見つけてください。9月25日が作品提出の締め切りです。

4.発表会のテーマ「☆」 発表会は11月30日(日)の予定です。 詳細はまた追ってルポしていきます。ワークショップはしばらくお休みします。後期は10月11日になります。そのころには全作品がリストアップされています。

ワークショップ参加の皆さん、良い作品にめぐり合いますよう。(文責 泉タケシ)

◆ 第6回 2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/10/11

会 場 宜野湾市中央公民館研修室

参加者 15名

ワークショップが再開されました。今回の参加は少なかったのですが、発表会に向けての作品は、合計19話が提出されました。前回は12話であったのでうれしい悲鳴です。身体と咽喉をほぐしたあと、個々の作品についての読み上げがありました。作品は語りとして仕上げられている段階ではなく、また長いものが多いので、整理する必要に迫られました。巴さんずいぶん悩んだようです。そして、①作品の内容に、二つ以上にまたがる主題をもつものはひとつに絞り込む。②重複するテーマの作品は、二人で語ることを目指す。などにより時間の短縮を図ることが提案されました。

二人語りなどの、ひとつの作品に対して複数の語りは、前回の発表会でも4作品で試みられています。ここで、CD「ミロクとシャカ」の二人語りを聞きました。登場人物が明確に区別されるために時間的には長い作品ですが、そう長い感じではない。一人語りでは、よほどの表現力がないと飽きられるといいます。

このようにして、19作品は13ほどになりました。まだ確定ではありませんが、前回は12作品が上演されましたので、やや近づいてきた感があります。 さて、今回のテーマは「☆」です。天空であり、またあの世、沖縄ではグソーといいます。星空の下であの世に行った人が、こちらに戻ってきて話をします。また、こちらの人も話をします。両方の世界を行ったりきたり、跨いで物語の世界が展開します。

両界を橋渡しするのは鳥です。鳥の物語やもちろん☆の話もあります。仙人も出ます。月の神様も出ます。盛りだくさんですので、発表会が楽しみです。 巴語録1:語りの話を選ぶ基準・・・・骨組みの大きな話。

そして、ワークショップの最後に言いました。「昨年からの受講者の提出された作品は、その人の語りたい方向性を示しているように思う。作品に流れがあることがわかった。」 さて、次回から稽古が始まります。これからの2ヶ月が本番です。がんばりましょう。(文責 泉タケシ)

◆ 第7回 2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/10/25

会 場 宜野湾市中央公民館研修室

参加者 17名 まだまだ暑い日が続いています。それにもましてワークショップはヒートアップしてきました。後期の開始から2週間の間に、ほぼ語りの作品が固まり巴さんを交えての作品の手直しが精力的に行われたようです。この間、ルポ担当は一年ぶりの多良間島と池間島のミヤークヅツを見てきました。

発表会当日、語りの順序は変わるかも知れませが、作品だけ紹介しておきます。

天願太郎治   鉄門の福分   鳩と神歌   鷲とエビとミーバイ   蝿と雀   うずらの母さん   姥捨て山   アールパンナ   アカナーとウナー   蛙と蟹の背負い較べ   豆と藁と炭   米寿由来   星砂由来   チャーギの精

以上の14作品です。今回も一人語りのほかに、3人、4人組みでの語りの作品があります。私はアールパンナや星砂由来の八重山の語りが好きですが、スケールが大きい話で、どのような舞台構成になるか楽しみです。

さて、今回のワークショップは、作品の仕上がり具合を検討しました。まだまだ、手を入れなければならないことが、巴さんや皆さんから指摘が多くありました。

発表会まであと一月です。作品の完成を急ぎましょう。そして、次回のワークショップから本格的な稽古が始まります。どうぞ会員のみなさん見学に来てください。お待ちしています。(文責 泉タケシ)

◆ 第8回 2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/11/8

会 場 宜野湾市中央公民館研

修室参加者 21名

いよいよ11月、最終の一月になりました。まだみんなの緊張感は高まってないようです。自主練習の日程を加えても、今月の発表会までは4回を数えるのみです。そして、事務方のほうでは着々と舞台づくりの打ち合わせが始まっています。

今回は全体の台本がようやく合本され、参加者もそろいました。最初に巴さんによる舞台構成の話から始まり、その中で久高さんの衣装も決まりました。具体的には報告できません。当日をお楽しみに。ただ、昨年の舞台とはまったく違ったものになることは請け負います。

今日のワークショップでは、ほぼ出来上がっている語りもあるようですが、多くはまだ台本を読んでいる段階です。練習あるのみでしょうか。

[巴語録]  作品全体の流れができていない。
セリフの部分の区別を明確につける。
間が取れていない。
語尾が不明瞭。
同じリズムで語っている。

(三人組)朝三さんの語りは、核心部分になると妙なおかしさ、軽やかさが加わって聞き手の笑いを誘っていました。天性のものでしょうか。作品の語りの中、作品をつなぐ楽器、歌も入るようです。パンフレット、チケットもできました。

今回のテーマは「☆」です。コピーは「あの世とこの世は行ったり来たり 星空の下 むんがたいがはじまります」「語り」のワークショップをご支援くださるよう、チケットのほうもよろしくお願いします。また、ご家族、ご親戚、ご近所さんをお誘いの上、沖国大までお越しください。

「むんがたい」発表会

期日:2008年11月30日(日)

会場:沖縄国際大学厚生会館4階ホール

開場:午後5時30分  語り開演:午後6時から

以上の日程です。よろしく。(文責 泉タケシ)

◆ 第9回 2008「語り」のワークショップ

日 時 2008/11/22

会 場 宜野湾市嘉数幼稚園参加者 19名 2008「語り」のワークショップも早いもので、9回目となりました。6月21日に初回を開催してようやくゴールが見えてきたようです。来週の発表会は20人の語り手が13作品に挑みます。

天願太郎治、わしとえびとミーバイ 鳩と神歌 はえとすずめ うずらのかあさん 運定めの星 アカナーとウナー アールパンナー 蛙とかにの走りくらべ 炭と藁とそら豆 米寿由来 星砂の話 チャーギの精 以上の作品がエントリーされています。前回より一作品多くまた、語りの時間に長いものが目立ちます。

今回のテーマは「あの世とこの世は行ったり来たり 星空の下 むんがたいがはじまります」 ということで、お月様の話、星の話など、スケールの大きい作品に取り組んでいます。 また、広瀬由紀子さんの影絵で、夜空であったり、星空が演出されて語りを盛り上げる予定になっています。

今回の全体練習では、会場への入りから確認のリハーサルとなりました。楽器も歌も入ります。前回以上の演出が予定されています。

その後にワークショップは事務所へと移動しました。午後6時を過ぎていましたので、朝さんの手作りカレーが待っていました。しばらくの休憩をはさんで影絵を見せていただきました。もちろん発表会に使うものです。白い布に映し出される星のまたたき、月に映るアールパンナなどなかなかに幻想的で、語りを食ってしまうほどのものでした。

23日にはプログラムの編集も終わりました。語り手からのメッセージもそろいました。あとは発表会の30日を待つだけです。

会員の皆様、ご家族、ご親戚、ご友人をお誘い合わせの上「むんがたい」にお越しください。来年も再来年も開催できるかは、皆様のご声援にかかっています。聞き手がいなくては語りは成立しません。

「むんがたい」発表会開催

日時:11月30日(日)

会場:沖縄国際大学厚生会館 4階ホール

開場:午後5時30分  語り:6時(文責:泉 タケシ)

◆ 第10回「語り」のワークショップ発表会

日 時:2008/11/30

会 場:沖縄国際大学厚生会館ホール

2008語りのワークショップ発表会は、今回も子供たち、大人たちそろって聞き入ってくれました。前回よりも多くの方に入場していただいたようです。舞台の右側には影絵のスクリーンで、今回のテーマであった☆空がきれいに映し出されるシーンから始まりました。オープニングでは流れ星がきれいに流れました。これも新しい試みで広瀬さんの作品です。

さて、ルポ子はそれどころではありません。会場内もほとんど見えないところで、照明の操作に集中していました。昨年、照明をやっていただいた方がいません。そこで、急遽、素人3人が分担してこの作業に当たりました。前日のリハーサルを含めて、合計2回の手順打ち合わせがあっただけです。正直な話、こんなわけで今回のルポは、会場がどんなに反応していたか実際に見てはいません。間接的に笑いや拍手を聞いていたのです。

そのようなハンディのもと昨日の発表会の出来はどうだったのか。発表会のあとで反省会を持ちましたが、私の頭の中は「稽古不足の幕は待たない」だったかな。こういうフレーズが行ったり来たり。

しかし、わしとえびとミーバイやうずらのかあさん、炭と藁とそら豆などでは、大きな拍手と笑い声が聞こえました。また、天願太郎治や運定めの星、チャーギの精ではシィーンと聞き入っていたようです。アカナーとウナーは、小さな子供にとってはとても怖い話であったかもしれません。それだけ集中して聞いてくれていたのでしょう。桑江さんは、講談調の語りをしたいといっていました。とても迫力ある語りだったと思います。

さて、熱気に溢れた会場もアッという間に90分が過ぎました。最後のチャーギの精では、中央に設置した花道を全員が「国頭サバクイ」を歌いながら会場を囲んでフィナーレになりました。語りの会場に足を運んでいただいた皆様ありがとうございました。また来年お目にかかりましょう。

語りのワークショップに参加された皆さん、この発表会で終わりではありませんよ。ここからが始まりです。ほんとうに昔話を語りたいとあと一歩を踏み出すには、これからの絶え間ない練習しかありません。語る作品もどんどん増やしてください。これからワークショップの実行委員によって語りの場を企画していきます。

最後になりましたが、今回の発表会を支えていただきました多くの方々にお礼を申し上げます。   (文責 泉 タケシ)