語りのワークショップ(6月30日 ~12月15日)

「伝承話を語り、表現する会員になろう!」ということで会員、一般に呼びかけて、6月30日のプレイベントを皮切りに全10回のワークショップを開催した。

22名の受講者でスタートした前期は、自己を見つめることから始め、腹式呼吸などを学んだ。

後期は、それぞれに語りたい民話を取り上げ、語りにするための再話に取り組み、グループ、個人で稽古に励み12月15日の発表会に臨んだ。

発表会は沖縄国際大学厚生会館4Fホールにおいて午後6時から開催された。

「むんがたい」のテーマで18名が発表、約200名の参加で、大盛況であった。

—— 「語りのワークショップ」 ルポ ——

第1回、2回、3回、4回、5回・・前期過程終了

第6回、第7回、第8回欠席、自主練習、第9回、第10回発表会

◆ プレイベント 「語りのワークショップ」プレイベントが開かれました。

今年も暑い夏があけました。NPO法人沖縄伝承話資料センターの語り部養成講座がいよいよスタートします。

今回報告するのは、語りの ワークショップとは何か。そこに参加することはどのようなことなのか。講師の中川巴さんを中心とした意思疎通のための勉強会になりました。

6月30日には宜野湾市中央公民館に、会員と一般参加者あわせて24名の参加となりました。

照屋寛信理事長のあいさつのあと、中川さんの自分とは何なのか、という話から始まり、このワークショップでものを表現すること、自分を見つけること、作品を作ることなど、表現することの意味について話をされました。

このことについては、中川さんの文章に譲ります。

参加者の自己紹介をまとめますが、これには仕掛けがあって、中川さんはものを表現することの3つの要素を取り上げられました。

そして、このワークショップでどれをやりたいですか、という問い掛けがなされました。

3つの要素というのは、①読むこと。②語ること。③演ずること。

以下でこのプレイベントに参加された皆さんのコメントを簡単に紹介します。K・Yさん:芝居、踊りなんでも好きですが演じることは出来ません。

また、語りは覚えないといけないし、読むからやりたいと思います。

K・Jさん:語るか、演じるか迷っています。子供たちを前にして人形劇をしていますので演じるに挑戦します。

H・Mさん:舞台は好き。影絵の人形劇をしていました。子供に語る活動を始めたので、語るのも、演じるのも好きです。どれもあいまいで混ざっています。

G・K:自分は読むことにあっていると思いますので読むにしたい。

O・T:読み聞かせを中心に活動していますので、語るをします。演ずるに進んでいければと思います。

H・M:まずは読むをやってみたいと思います。

S・M:語るをやりたいと思います。読みとかもやってみたい。

H・H:人前で語ることはこれまではやってません。民話に係わってきて目標は語るですが読むから始めたいと思います。

A・Y:人前での語りはしばしば感情が高ぶってきます。人間ぽい神様になってしまいますので、語りの勉強をしてみたいのですが、両方やってみたい。O・N:読むことを、読むことしか出来ませんから。

T・I:読むことが簡単かもしれません。語ると読むの間ぐらいでしょうか。

G・K:方言でおばぁのようにホッとするような語りをしたいとおもいます。

K・G:子供に物語の面白さを読んであげたい。

I・G:読み聞かせの活動をしています。基礎がないと子供に向き合えないので読むをしたいと思います。

I・K:読むをしたいという感情と演じたいという気持ちが両方あります。読むから入ります。

H・T:読むが目標ではないですか。

A・H:孫たちを相手にして物語を読んでいます。ちまたのじいちゃんのひとりとして。さりげなく読めるにはどのようにしたらよいでしょう。

N・K:観察することが好きです。一人一人の個性に感激しました。紙芝居をやっています。読むから入っていきます。

T・Y:小・中学校で読み聞かせをしています。語ると子供たちの目が集中するのが忘れられません。沖縄なまりの標準語で語りたいと思っています。

O・R:津堅島のオバーの語りに感動しました。あれが目標です。語る歴史がないので学びたいと思います。

A・T:語りの勉強をしたいと思います。どう語ればいいのか勉強したい。

T・K:何十年もかけて調べてきた昔話が語れません。ここから是非語りを勉強したいと思います。 以上が参加者の声です。省略したところがかなりありますが、皆さんの熱意が伝わりました。ここで、このメールをお読みの皆様に注意しておきます。中川さんが示された、読む、語る、演じるは一見この順番で難しい並びと考えますが、そうではないようです。 では、7月21日から「語りのワークショップ」が始まります。その都度メール便にて参加されている皆さんがどのように変わっていくか、変化なしか逐一報告したいと思います。また、いまからでもワークショップの申し込みは間に合います。よろしく。(泉 武)

◆ 第1回「語りのワークショップ」開かれる。

さる7月21日に沖縄国際大学9号館302号教室で「語りのワークショップ」始まりました。午後2時からの予定でしたが、机の片付けやら床拭きなどで少し遅れての開始です。

これから何が始まるのか皆さん少し緊張気味であるのが分かりました。

参加者は20名です。教室の半分が動き回れるようにセットされ、巴さんの号令とともに軽い体操で体をほぐしました。そして、参加者自身の自己紹介となりました。

そのあと教室の空きを使っての歩行、早足などで、どのよう動き回ってもよく、ただ巴さんのストップがかかるまで動き回ります。そして、ストップがあって近くの人同士が2人一組を作りました。

身体の力を抜くこと・・人間は地球の重力に逆らって2足で立っています。神体のあらゆる筋肉が緊張し、バランスを保っている結果です。

巴さんはこの緊張を解いてみろといいました。首の筋肉、手の筋肉、足、腰の筋肉です。

そして地球の重力に身を任せよと。巴さんはまず自らやってくれました。

みごとに頭が垂れ、両手が垂れてまるで、マリオネットの人形のようになりました。

骨をつなぐ関節が動いているだけです。

私たちもお互いにやりっこしましたが変に緊張してうまくいきません。

しかし、繰り返すうちに気筋肉の緊張をとって重力に身を委ねる感覚がなんとなく分かってきたように思います。

口から音を出す、地声の確認・・次に片手を上に上げて、緊張を解いたときに口から放たれる音を確認する。

これもなかなか難しい。しかし、地声を確認することは無理のない自然な発声につながるといいます。思っているよりも少しレベルが落ちる声のようです。

巴さんによる個人レッスンとなりましたので、時間はどんどん過ぎていきましたが、このころになると、皆さんの緊張は解けて4時前になっていました。

次回からもこれらの動き、①体の緊張を解いて重力に委ねる運動。②自然な発声の二つのことは基本動作として行うそうです。

以上が第1回「語りのワークショップ」のルポです。

初回は間に合わなかったけれど、参加したいという皆様、まだまだ間に合います。基本動作は繰り返していきますので途中参加も可能です。

是非ご参加ください。お待ちしています。会場は沖縄国際大学9号館302号教室。午後2~4時となっています。

次回は8月4日(土) (泉)

◆第2回「語りのワークショップ」

8月4日 沖国大9号館 302号教室

テーマ:声の発生 声を届ける

第2回の参加者は17名でした。

予定通り2時10分から体をほぐす歩行から始まりました。

そして、これも前回やりました、身体の緊張を解いて頭、首から両腕を前に落とす訓練です。そして声を出すことが加わりました。

アーという声ですが、各自の自然な音高だといいます。

上体を上げて、全ての体の緊張を解いてゆっくりと落とす。ゆっくりと上体を上げて、前を向いて声を出す。前回の繰り返しですので、皆さんラックスして声が出ていました。

さて、次は二人一組となり、一人が床に寝転がってリラックスする訓練です。丸太棒ではいけません。

ナマコのように頭、首、両手、両足、腰全ての力が抜けていなければなりません。

もう一人は足の位置について、足を少し持ち上げ横にぶらぶらと揺さぶりました。

全ての力が抜けていると、腰から胴、頭は波動となって波打つような身体となります。巴さんはこのとき、人間の身体は液体でできているといいました。

そのとおりですね。どこかに力が入っていると波動はそこで止まってしまいます。

しかし、これも皆さんクリアーしました。とても気持ちよかったそうです。

ここまでが、今日のテーマの導入部でしょうか。少し休憩したのち資料が配られました。

人間の上半身の筋肉が示されています。そして呼吸の基本のトレーニングが始まりました。

まず、みぞおちの部分を軽く押さえて、全ての息を吐き出す。

自然に吐き出す。これも最初は寝転んでのトレーニングとなりました。

上を向いて腹に息を大きく吸い込み、少しずつ吐いていきます。決して肩の付近で息をしてはいけません。 次に仰向けに寝ての呼吸です。

特に息を吐くときスーという音を出します。このとき助手は両手で肩からお尻まで順番に息を出す手助けをするように押していきます。どの地点がもっとも息が自然に出たか確認します。どうも、みぞおち-横隔膜あたりといいます。

再び立った状態で、みぞおちのところを軽く押さえての腹式呼吸の練習となりました。ここで、今日の巴さんの格言その2-みぞおちが硬い状態は、精神状態が悪いといいます。緩んでいる状態がベストであると。

最後のトレーニングは、地声を探して前に声を出す。バァという音を出すという訓練です。全ての力を抜いて腹に呼吸をためて地声を出す。とてもきれいに、力強くバァという音が出はじめました。

そういえば、何十年か前に読んだ漫画を思い出しました。そこでは「カメハメハァッ」といっていたように記憶します。最後のハァッが音となって飛んできます。どこにも力が入っていなければ、咽喉にも負担がかからないと巴さんは言いました。今日の格言の3つ目です。

だんだんと皆さんの身体が、緊張、ストレスから開放されてきたようです。ではまた次回をお楽しみに。見学も歓迎します。(文責 泉 武)

◆ 第3回「語りのワークショップ」

8月18日沖国大9号館301号教室

テーマ:話すということ 朗読、歌などを使って話すことへ向かう

参加者15名

今回のワークショップは、旧盆間近ということもあったのでしょうか、参加者が少ないワークショップとなりました。

そしてまた、ルポがむずかしいワークショップであったようです。なぜかはのちほど記すことにします。

開始早々、巴さんから3回目にして、12月最終回に向けた発言がありました。

そろそろ、語るにしろ、演じるにしろ、作品を選定してほしいということでした。

「私はこれをやりたい。」という作品選びです。

そして、巴さんからは発表会の演出の構想が語られたのです。

小一時間を費やしての話し合いとなり、いろいろなアイデアも飛び出しましたが、参加者一同ようやく12月に向けての具体的な行動が求められたのでした。12月をお楽しみに。

さて、ようやく3時ごろから今日のワークショップが始まりました。いつものように身体の緊張を解いて、バーという声を出す訓練です。

そののち、2メートルほど離れて二列になりお互いが向き合いました。「こんにちは」という声をだして相手に届くかというものです。

実際は「こんにちは」という声が塊となってなかなか届いてこない。手前で失速する、上に反れるということが実感されたようです。

そして、声が届いたとき、それは頭蓋骨に響き、三半規管に共鳴した状態のようです。緊張した状態で大声を出すことではない、ということを実感する一瞬でもあったようです。

つぎに、お互いに向き合っている状態で「通りゃんせ」を歌うこと。なにがここで課題となるのでしょうか。

通りゃんせ 通りゃんせ / ここはどこの細道じゃ / 天神様の細道じゃ /・・・

お互いの掛け合いになりましたが、巴さんはこの歌を自己のものとして、真剣に相手にぶつけてみようというのです。これがなかなかむずかしい。

身振り、手振りを交えての歌、語りが始まりました。ここには、二人の関係性、行動がことばによって成立するか。という問いかけのようです。これは非常に難しいのです。行動の真実を言葉の力によって、相手に行動を起こさせることに到らなくてはなりません。ここで教訓をひとつ。「人間はいかに自己の行為を相手に対して説明することに終始してきたことか。それも表層を流れる煙のような言葉でもって。」これでは、相手が共鳴してくれるわけがありません。

これを打破するには身体の緊張を解いて、心の緊張を解いて自然体の自己を晒す以外ないのでしょうか。今回のルポはなにやら哲学めいてしまいました。

次回は9月8日です。すこしは秋めいているでしょうか。予告によると夏目漱石の夢十夜を読みます。見学を歓迎します。(文責 泉 武)

◆ 第4回「語りのワークショップ」

9月8日沖国大9号館301号教室

テーマ   朗 読

参加者13名

第4回のワークショップは、前期過程の終了間際とあって、盛りだくさんのプログラムになりましたが、参加者の皆さんの集まりが少なくなってしまいました。

今回のルポは、当日欠席された方への、次回への橋渡しのようなまとめとします。資料は別便で郵送します。

前半の準備運動は省きます。

資料として、宮沢賢治の「なめとこ山の熊」「ざしき童子のはなし」と、夏目漱石「夢十夜」が配布されました。皆さん初見です。少しの時間を割いて各自目を通しました。 しばらくして、二つのグループに分かれて「なめとこ山の熊」を相手に向かっての朗読です。

さて、どのような感想が聞かれたでしょう。

○聞き手に語っていない。○本を読んでいるようだ。○イメージが湧いてこない。景色が見えない。

なかなか、厳しいご意見でしたが、これを克服するためのワークショップなのです。 巴さんは、「なめとこ山」から引っかからなければいけないといいました。

巴さんは冒頭の一節をこのように音として分解しました。

つまり宮沢賢治は日本語として音を作っていると。

ここでは「なめとこ山」は実在しようがどうであろうが構わない。

作品の冒頭をいかにリズムよく、聞き手を引き付けてイメージ作りをさせるかがポイントである。この作品の面白さであり、かたりを計算されつくした作品だといいました。

naで咽喉を大きく開いて音を出し、meで音が弾むように飛んで、to―koで音が閉じるように意識します。yamaでふたたび音が開放されます。

このような意識した発声の工夫がなされているのが、冒頭の一節であると解説しました。 作品の中の日本語1音1音のもつ音のひびきを意識することです。意識した音を音声化することでしょうか。

さて、次回は前期最終となります。「夢十夜」の三話の中から好きな作品を選んで語っていただきます。次回までに充分読み込んできてください。声を出してです。黙読はいけません。 作品を読むにあたってのキーワードをちりばめておきます。これがすべてではないと思います。詳しく教えてほしいという方は巴さんまでお尋ねください。(次項つづく)

  • 字を読まない。語りは字面を読むことではない。内容を読む。
  • 作品を音声化するときは、擬音、対句に気をつける。音の響きを意識する。
  • 音のイメージを持った作品を選ぶ。
  • 冒頭には細心の注意を向けること。
  • 一節たりともイメージが浮かんでくるまで口に出さない。必ず浮かんでくる。これを声に乗せせる。
  • 情景をイメージとして伝えなければならない。間合いがあると、情景が立ち上がる。

次回は皆方様にぜひとも出席していただきます。

「夢十夜」を語っていただいて、テストをしようというのではありません。

巴さんは一人ひとりの声を聞いて、発表会での全体構成の参考にしたいのです。どのような声の組み合わせが面白いのか。

また、22日はワークショップが終わりしだい、近くで前期の反省会を持ちたいと思っています。ここでも大事な打ち合わせをします。和気あいあいと。

というのも、発表会の会場を決定する時期にきています。皆さんにはそのような自覚はまだないと思いますが。巴さんはとてもあせっています。

そろそろ舞台に上がった自分をイメージしてください。

次回のワークショップは語りのトレーニングと、後半は自分の作品を選んでいく上での「再話」についての話があります。

事務局からは作品選びの本を持っていきます。(文責 泉)

◆ 第5回「語りのワークショップ」

9月22日 沖国大9号館301号教室

テーマ 朗読

参加者22名

久々にほぼ全員がそろい、にぎやかな準備運動から始まりました。

体をほぐして上体の緊張を解いての発声練習です。まだ4回ほどのトレーニングですが、すっかりリラックスするすべを会得したのでしょうか。声が出ているという状態をつくることが出来るようになりました。

さて、今日のテーマは前回でも予告したように、夏目漱石の「夢十夜」の朗読です。朗読を始める前に、巴さんから注意がありました。「朗読をするとは、自分の世界に浸らない。単に自分を表現するのではない。向こう側にいる人を相手する。」でした。

夢十夜そのものが、読みづらく魑魅魍魎とした世界を描いています。私は好きですが。こんな話が聞き手にイメージとして伝わるでしょうか。

一人ひとりが、三つの作品からひとつを選んでの朗読となりました。終了したのが4時を過ぎていました。この辺も巴さんのチェックのひとつだったのでしょう。朗読が終わっての全体の講評は「聞いているほうが持たない。」というものでした。前回から2週間のうちでいかに作品と向き合ったか、読み込んだかが端的に現れました。

しかし、悲観することはありません。これも巴さんが仕組んだ罠かもしれません。すべては10月から始まる作品の語りをいかに成功に導くか。また語り手と観客(ともに自分である)の関係を自覚させるということだったかもしれないのです。

今回で前期過程が終了しました。7月21日から始まったワークショップも半ばまできました。最初はどのようになるのか不安だらけの様子でしたが、身体の緊張を解くことから始まり、声を出すこと、朗読の基礎まできました。このあいだ、巴さんからは色々なキーワードが飛び出しました。このルポにはその時々のキーワードを記してきたつもりです。

5時ごろから会場を移して反省会となり、お酒が入る前に大田利津子さんから、作品を選ぶ際の参考にと「再話とは何か。」という話がありました。ワークショップの中で予定していたのですが、酒場でやってもらいました。大田さんすみません。の後がまだまだ続き、巴さんからは12月発表会の構想の話と、参加者からの意見が多数寄せられ、また、発表会場も決まりました。このあたりはまだシークレットにします。突然のキャンセルが起きるかもしれません。

あと、5回のワークショップです。受講生の皆さんがんばりましょう。そして、応援して下さっている皆さん、発表会を楽しみにしていてください。きっと感動的な民話の語りをお届けできると確信しています。

次回は10月27日から再開します。各自、「語りたい民話」への挑戦が始まります。会場は前期と同様ですので、見学にもおいでください。(文 責 泉 武)

◆ 第6回 「語りのワークショップ」

沖国大9号館 9月27日 301号教室

参加者15名

本日から後期過程が再開しました。いよいよ12月15日の発表会にむけて、語りのトレーニングが始まります。前期過程の終了から一月ほどありました。

この間に「語りたい民話」の選定と原稿の提出が求められました。当日にようやく間に合ったものもありましたが、作品の題名を紹介しておきます。

1. 黄金の瓜種
2. カジマヤー由来
3. お焼香が通らなかった話
4. おもちごろごろ
5. 十二支のはじまり
6. 寿命くらべ
7. 竜宮からのお嫁さん
8. 陸の神と海の神のあらそい
9. クスケー由来
10. キジムナーとヤックワナー
11. クムイのマー
12. 石になった娘

以上です。

みなさんグソー話が好きですね。

今回のワークショップは作品の朗読を行いました。どれくらいの時間がかかるのかということが課題であったのですが、2時間以内には収まりそうです。

また、発表会では影絵による舞台の演出も考えられています。朗読では7~8割仕上がっている作品も幾つかありました。なかなか面白いものでした。これには巴さんの仕掛けがあったかもしれません。自分が語りたい作品ということでしたが、初見に近いものもあり、奮起すればここまで仕上げられるゾ。という愛のムチでしょうか。

いずれにしても発表会まで1ヶ月半という限られた時間です。どのように皆さんが変身していくか楽しみです。

公式にはあと3回のワークショップです。「お稽古暦」が最後に配られました。個人レッスンで作品を仕上げていくつもりです。

4時になって今回のワークショップを切り上げ、発表会の会場を下見しました。さあ、少しは現実のものとしてモチベーションがあがったでしょうか。すべては作品の練習にかかっています。

早速当夜、巴さんのマンションで練習が開始されました。ガンバレ。

◆ 第7回 「語りのワークショップ」

沖国大9号館 11月10日 301号教室

参加者18名

7回目にしてようやく全体の台本が仕上り、教室には舞台の大きさのシートが張られました。いよいよ今日から全体練習です。お一人は体調を崩されて復帰できていませんが、それでも久しぶりでほぼ全員がそろいました。台本を手にしての立ち稽古の様相です。しかし、前回のような緊張感はありません。和気あいあいではありませんか。三味線も持ち込まれました。波の音、砂浜の音、ささらをたたく音、いろんな音が確かめられています。

前回の順番どおり、福原ご夫妻による「黄金の瓜種」から始まりました。前回よりも邦子さんの語りの部分が多くなったのでしょうか。バランスが良くなったように思いました。

今回からは語りと語りをつないでいく音と、立ち位置の確認も合わせていきましたので、2時間の稽古はアッという間に過ぎました。

さて、ルポはここで止まっています。順調といえば甘すぎるかもしれませんが、後はもう発表会を見ていただくだけになってきました。巴さんの仕掛けも出揃って当日に仕上げるだけでしょう。

本日の名セリフ

①客席に向かって大きな声で問いかけます。「カジマヤーまで生きようね~。」・・・「ね~!!」
②皆さんもご一緒に「ハックション!」「クスケー!」「・・・・!」 「・・・・!」 

このあと、巴さん、照屋さん、大田さんと文責が事務所に集まりました。会員の皆様にそろそろ発表会のご案内もしなければなりません。

11月中には発表会のチラシがお手元に届くようにいたしますが、12月15日の夜はどうか予定を入れないで、発表会のために空けておいてください。会場は沖国大厚生会館ホールとなっています。ご近所ご親戚、じいちゃんばあちゃんから幼児までレパートリーを取り揃えています。お誘いあってご来場ください。(文責 泉 武)

◆ [語りのワークショップ]自主練習

11月25日 嘉数幼稚園

参加者13名

第8回のワークショップ、文責担当は所要のため欠席をしました。申し訳ありません。

さて、25日には宮城隆子さんの職場をお借りしての自主トレとなりました。巴さんはちょうど東京に行っておられて不在でした。

しかし、発表会まであとわずかです。これで、3週連続の練習日となりました。周辺も少し慌しくなってきました。後でお知らせします。

私にとっては1週間ぶりとなった練習風景です。まず全員で台本にそって音入れのタイミングの確認が行われました。サンバの音、波、風、鈴などが登場します。効果音であったり、語りの作品の転換で使おうとしています。なかなかこれが大変なようです。

しかし、聞いているほうは臨場感が醸し出されます。雷や風、波は風景がみえます。沖縄にやってくる強烈な台風や雨の音は、昔話の語りと切り離せないかもしれません。今回の発表会の裏テーマは、いかに観客の人に聞いてもらうか、伝えるかということとも関係します。

そのあとは、各自の作品を語りました。黄金の瓜種、カジマヤーの由来、お焼香が通らない話、十二支の始まり、竜宮からのお嫁さん、クスケー由来、キジムナーとヤックワナー、クムイのマーの8本でした。全体的には台本に変更があったりして、しっくりいっていないなと感じました。まだ語りの言葉が整理されるようです。

また、気になったのはナレーション部分の語尾の消えることです。練習会場のうしろで聞いていたのですが、「~た。」がほぼ全滅でした。聞き取りにくい。がんばりましょう。5時ぐらいまで自主トレになりました。

さて、事務連絡です。今日は発表会のパンフレットとチケットが出来上がり、語り手たちに配布されました。一人5枚のノルマを言い渡されましたが、無理をしないでください。身内だけでクリスマスの前夜祭のように楽しくやりましょう。

発表会のテーマは「むんがたい」です。物語ということです。キャッチコピーは、「さぁ今宵おしゃべりキジムナーたちが集まりました。どんな話を聞かせてくれるでしょうか。」 沖縄には昔は大きなガジュマルの木がたくさんあったそうです。そこには必ずキジムナーが棲んでいたそうです。キジムナーは怖い存在ではありましたが、人間が大好きでおしゃべりと魚獲りも好きで、よく人間を誘っていたそうです。

キジムナーは戦争で姿を消してしまいました。戦争が住処を奪ってしまいました。12月15日にはそんなキジムナーたちに久しぶりに会えるかもしれません。今日のルポは少しロマンチックに終わります。ではまた。(文責 泉 武)

◆ 第9回「語りのワークショップ」

12月8日 嘉数幼稚園

発表会に向けての全体練習

参加者:全員集合

いよいよ、この「語りのワークショップ」も9回を迎えました。あとは来週の発表会を残すのみとなりました。昨日は9時から舞台の関係で作業を行っていました。与那国島、竹富島の調査から帰ってきたばかりなので、今朝は少々疲れ気味です。

しかし、与那国島はまだまだ良きところかも知れません。『与那国の歴史』を書かれた池間栄三さんの奥様がご健在でした。ご自身も『与那国語辞典』などを著されている方です。女性のご年齢をここで公表するのは憚られますが、米寿を迎えられていると思います。

お会いできたのは偶然でしたが、初日5時間半、翌日2時間ほどお訊ねして与那国島のことをお喋りしてきました。この方は遠藤先生が与那国の昔話調査の折にも多くの民話や伝説を語っています。だんだん「語りのワークショップ」のルポから外れそうですので、与那国の詳しい話は別の機会とします。

なぜこんなにルポが外れてしまったのか、それは昨日の発表会の稽古の出来が良かつたからでしょうか。まだまだ、稽古の段階であることは事実ですが、前月の自主練習とは格段に皆さんの語りがみえてきました。

辺土名さんの「キジムナーとやっくわなー」はそれぞれの人物像が判ってきて、愉快な話が展開しそうです。また、高江洲さんの「寿命くらべ」は短い話ですので、標準語と方言によって語るという演出になりました。標準語の語りはこなれていないようでしたが、方言の語りはとてもスムーズで良かったのではないでしょうか。 このほか色々の趣向が仕込まれています。報告できません。あしからず。

今回は語りと語りを繋いでいく間や、語りの中の音、全員の歌などが入念にチェックされました。とくに歌や音を入れるま間が難しそうでした。これが完璧に出来ればどれだけ語りが盛り上がるでしょうか。とても楽しみです。

まだ、1週間の稽古期間があります。語りはもっともっと良くなると確信しています。とうぞ15日の発表会には、ご近所お誘いあわせの上、是非、沖縄国際大学厚生会館4階のホールまでお越しください。

5時30分開場、6時開演になっています。入場料は無料です。

ただ、開場入り口でご無理をお願いするかもしれません。昨日のレッスン終了時には、発表会当日の衣装についての打ち合わせもありました。いよいよ、息が合ってきたようです。 それでは、15日の発表開場でお会いしましょう。(文責 泉 武)

◆ 第10回「語りのワークショップ」

発表会 沖国大厚生会館ホール

おはようございます。昨夜はおしゃべりキジムナーたちのおしゃべり発表会となりました。興奮の一夜が明けてワークショップの語りに参加されたみなさん。お疲れ様でした。

このルポは昨夜の語りのMDを聞きながら書いています。細かなことは抜きにしてやっぱりおもしろいですね。すべてはライブの勝利かもしれません。この音をHPで流せるか検討してみたいものです。

さて、文責子は当夜の事実関係のみお伝えします。

沖国大のホールは200名ほどのキャパがあります。客席には舞台とすこし空間を置いて茣蓙が敷かれました。その後には、半円を描くようにいすが置かれ、語りを聞く良い空間が作られました。

5時30分開場、6時00分開演のスケジュールです。

語り手たちも5時30分には舞台袖にスタンバイしました。どれほどの緊張感であったか、観客が続々と入場するざわめきを感じていたと思います。そして、開演10分前に舞台上がりとなりました。そのころにはもう8割方の入りだったのです。茣蓙の上には子供たちが多数陣取っています。会場のライトも落とされ、いやがうえにもいよいよ何かが始まるゾという、あのライブ会場独特の空気感が漂い始めたのです。

正式な数字ではないのですが、200名の方々が来場されたようです。茣蓙の上も満員、いす席も満席になっていました。

事実関係その2.田名さんによる語りの開始から約80分でフィナーレとなりました。どうしたことでしょう。巴さんが口を酸っぱくして言っていた時間にぴったりと収まりました。そして、その間、子供たち、大人たちは話しに集中してくれました。面白いところでは笑ってくれました。文責子も80分のライブを十分楽しみました。アッという時間でした。語り手達よありがとう。

語りのワークショップの最後に、語り手の一人として参加した当NPO法人の理事長である照屋寛信から、客席に向けてのあいさつで当夜は締めくくられました。

長い長いワークショップの道のりでしたが、どうもまだ継続するようです。どのような形になるかはまだ判然とはしません。昨夜は昨夜のこととして、冷静な反省と日々の精進がまっています。そのことへの大きな第一歩であったわけですから。

つたない発表会に足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。また、冒頭でも思いつきのことを言ってしまいましたが、当夜会場に来られなかった皆様へのほんのおすそ分けとして、録音をどうにかしてHP上で流せないか検討してもらいます。

では、これで「語りのワークショップ」のルポを終えたいと思います。長い間お付き合い下さいましてありがとうございました。 いつの日か、語りのライブ会場でお会いできることを楽しみにしています。(文責 泉 武)